訪問介護ならリスクは低くなる
どんな仕事であれ、起業することにはリスクもあります。介護事業は成長産業で、需要も増える一方なのですが、現実には失敗する施設ももちろんあります。誰でも失敗は避けたいところでしょうが、これは自由市場の原則ですから仕方ありません。それでも訪問介護は、比較的リスクが低いといわれています。訪問は利用者の家へ行ってサービスを施すので、利用者を置いておく広いスペースが必要なく、職員だけがいる一室があれば足りてしまうからです。これだけでも訪問介護は初期投資が少なくて済むのです。他にもいくつか理由があります。今回は訪問介護の利点や介護起業の始めやすさについて、いろいろと解説してゆきます。
訪問ならネックの利用定員もない
利用者が施設を訪れるデイサービスは、利用定員が定められています。これは手に余る人数を受け入れすぎて、サービスの劣化や利用者の危険を防ぐ意味合いがあるのですが、施設の大きさや、介護員の人数などにより、何人まで受け入れてもいいという上限が決められており、これ以上になると罰せられるのです。しかし、訪問介護の場合は定員がありません。職員の数さえ増やせば、いくらでも利用者を増やせます。介護事業で起業するなら訪問介護がいいといわれる理由のひとつです。さらに訪問介護は一度利用してもらえば、その後も週に何回というような安定した継続になることが多く、収入を見込めるのも起業のリスク軽減となります。
在宅でのサービスを国が奨励している?
現在、高齢化に伴って社会保障費が国家の大きな負担となっています。そこで政府は、在宅への訪問による予防という観点から、介護事業における訪問の重要性を高く評価し、その増加に努めています。そのひとつが職員の給与加算で、訪問介護への報酬は上がる傾向があるのです。当然、起業するなら訪問介護がお得といえるのです。
利用者はリピーター!客離れが少ないぞ
改善の気配が見られない高齢化のため、介護事業そのものは需要の切れないものです。とはいっても、行列のできる介護施設というのは聞いたことないですよね。それは飲食店などとは違い、利用客が固定されているからなのです。つまり、利用者を集めることにさえ成功すれば、その人たちはみんなリピーターになるわけです。そういった理由から、美味いラーメン屋のような一攫千金が狙える商売ではないものの、ほぼ確実なリピーターを確保できる介護事業は安定しているといえるでしょう。もちろん、起業してすぐに多くの利用者は獲得できないでしょうが、地道に利用者を増やして軌道に乗ってしまえばこれほど安定した仕事はないのです。
介護事業は融資も甘めに受けられる
起業をする際、一番の問題となるのが開業資金です。事業を始めるからにはまとまったお金はどうしても必要になりますから、その調達は大変です。特に開業直後は収入もまだ少なく、借金しながら軌道に乗るまでやり繰りするなんてことは珍しくありません。足りないお金は銀行などで融資してもらうわけですが、社会事業である介護事業をする場合は、こうした面でも他より優遇されています。例えば、日本政策金融公庫で融資を受けるときは、一般的にこれまでの実績などで厳しく判断されるのですが、介護事業だと実績がなくても融資が受けやすいのです。こうした社会的な優遇措置が期待できるという理由からも、介護は新たに始めやすいといえるでしょう。
まとめ
介護はその厳しさばかりが必要以上にクローズアップされますが、実際は多方面において起業をサポートしてもらえます。行政レベルで振興を促していること、高齢化で発展が見込めること、フランチャイズ企業が多いことなど、介護事業に参入しようとしている人を強く後押ししてくれているのです。運営に関しても開業資金が抑えやすい、リピーター率が高いこともあり、新規事業で成功を考える人にとって魅力的なことがたくさんあるのです。