融資は借金。返済も考えて
介護事業を立ち上げようとすれば、個人開業であれフランチャイズ加盟であれ、ある程度のまとまったお金が必要です。要するに開業資金ですが、数百万から一千万円くらいがかかりますから、貯蓄だけで賄うのはなかなか大変でしょう。となると、融資(ローン)を受けたいと考えるのは当然です。事業をやる人を支援するため、無担保無保証で借りられる創業融資というのもあって便利ですが、これも借金であることは変わりません。返済するためには利益を上げ、計画的に考えないとならないでしょう。ここではローンを受けやすい施設作りを解説します。
開業後の金策で融資が使えるか?
開業資金はもちろんですが、施設を運営してゆく過程でお金に困ることもあります。創業融資を利用したいところですが、これは難しいと言わざるを得ません。なぜなら借金なのですから返済してもらわないとならないのに、お金に苦心している介護事業に安易に貸すことが躊躇われるからです。向こうはこちらの返済能力で貸すかどうかを決めるわけで、借金する施設にほいっとお金を出してくれるほど甘くはないのです。また、ローンを受けられる時期も決まっていますから、運営が苦しいという理由で借りるのは慎重にしたほうがよさそうです。
高齢化が介護の信用を高めている
融資を受けるには返済能力が見極められます。現在であれば介護事業は伸び率が高い業種と認識されていて、お金を借りやすいといえるでしょう。高齢化社会に歯止めがかからず、大量の団塊世代が今後加わって超高齢化時代になるといわれている昨今、介護は成長産業と見なされて返済も容易であろうと判断されやすいのです。介護をやるなら今だ、ということですね。こうした時代背景を追い風にすることは大切です。
客入りの見込めるほうが融資は楽
介護の市場規模もローンを受けやすい要素となっています。高齢化、超高齢化へと突き進む日本では、介護事業の規模も拡大の一途をたどるのは想定されることです。これも返済能力があると見なされやすいでしょう。介護は公共事業であり、政府も後押ししていますから、融資という点でも優遇されがちですからね。施設が人口密集地にあれば、さらに利用客の増加が見込めるだろうと期待もされるので、いっそう借りやすい環境になります。
他施設に負けない強みを持つべし!
高齢化社会で介護事業が順風満帆というわけでもありません。たしかに介護事業は成長産業で、始める人も増加しているのですが、施設が増えればどうしても競合は避けられません。融資を受けやすいのは、やはり競合を勝ち抜ける強みを持った施設ということになります。「お風呂がいい」とか「リハビリが充実している」とか「24時間対応」といった売りですね。他の施設より上の売りがあれば、利用者も集まりやすくなり、返済も大丈夫と思われるのです。そのためには市場調査をし、スタッフの教育もして、信頼を作ってゆくしかありません。
あなたの熱い思いが人を動かす
肝心なのは「なぜ介護事業を始めるのか」の動機です。これは「介護が流行っているから」や「儲かりそうだ」でもいいのですが、融資を許可する相手も人間ですから、介護を目指した熱い思いや理想を語るほうが好感を得られやすいと思います。しっかりした動機を持っていれば、優良の事業主と見てもらえるかもしれません。介護・医療の経歴があればなおいいでしょう。面談で相手に良い印象を与えられるように心掛けておきたいですね。
まとめ
どうしたら融資を受けやすくなるかを説明してきました。借金返済できるかどうかが鍵となり、自分と施設を好印象に見せられればいいのです。フランチャイズで多少安く始めることができるとしても、介護事業には相当の資金が必要です。借金しないというわけにもいきません。いろいろな制度がありますから、上手に利用したいものですね。