介護事業は家でも始められる
自宅を事務所に改造・改築して介護事業を始める人はたくさんいます。他所にテナントを借りるよりも安上がりで、少ない開業資金でも事業をスタートできてお得です。大きなスペースのいらない小規模な施設なら、自宅開業でもじゅうぶんでしょう。ただし、介護事業と認可されるためには必要最低限の設備が必要です。認可されなければ介護業はできません。ここでは自分の家で開業するためのいろいろな情報をまとめてみました。
自宅をどのようにすれば介護ができるの?
介護事業は介護保険法の定める条件を満たし、行政から認可をもらわないとできない決まりになっています。好き勝手には始められないのです。まず、住居スペースとは別になるということを覚えておきましょう。これは介護施設としての衛生を考えてのことです。消毒などが必要となるので、水回りやトイレといった設備は分けて設置することになります。通所型の施設では、利用者の安全を守るためにかなりの改造が求められると思います。浴室や食堂、訓練室など広さも大事です。訪問介護など職員が使うだけなら、事務所としての体裁が整っていれば問題ありません。それでも、電話やキャビネット、相談室というものは儲けねばなりませんが、リフォームは少なく済みます。デスクや電話などは持っているものを転用できるので、自宅を事務所にしての開業はずいぶん低資産でもやれるのです。
面倒な申請業務はプロに任せろ
自宅開業とはいえ、それは立派な法人です。介護事業として行政に申請を出し、認可されないといけません。申請には必要事項を記載し、介護施設としてじゅうぶんか、事務所内の設備は揃っているか、厳格にチェックされます。介護事業開業に当たって、一番厄介で面倒な仕事が、この申請書の記入なのです。素人がやっても漏れが必ずあり、自宅を事務所にするような場合は特に顕著です。なかなか認可されず開業できないなんてこともあるのです。これはフランチャイズ加盟や、行政書士に依頼することで防げます。頼りになるのはプロということですね。
開業資金を抑えるだけではない!
自宅開業のメリットはなんといっても資金を抑えられることです。介護事業を始めるには、どんなに小規模のものでも数百万円は必要ですから、家に事務所を作ってしまえばその分節約できるわけです。家にあるもので設備も賄えますしね。他にも、通勤で苦労しない、昼食に外食しなくていいなども利点なのですが、近所の顔見知りに開業をアピールし、利用に繋げてもらえる期待もあります。介護は信用が大切ですから、地元で知っている人が多いというのは強みです。施設の雰囲気も自然とアットホームなものになり、集客もしやすいと思いますよ。
仕事と私生活を区別するのが大事
自宅を事務所にしてしまうのには注意もあります。プライベートと仕事の線引きが曖昧になり、どちらにも弊害が出てしまう怖れもあります。ご近所商売になってしまい、介護事業というより寄合所のようになって、他の地域から人が来ないなんてこともあります。もし、家の立地が悪いものであれば、利用者を増やすことは難しくなるでしょう。自宅開業は緊張感が軽減されるのはいいのですが、自分自身の心構えが甘くならないことが肝要です。気の緩みは事業を失敗させがちですからね。あくまで仕事なのだということを忘れないようにしてください。
まとめ
介護事業を自宅で行うことはメリットがいっぱいあります。反面、完全に独立している感覚ですから、いい加減さが出てしまう可能性もあるのです。一人暮らしだと自堕落になるのと同じです。そうならないためには、自分の気持ちを緩めず、事務所と家をきっちりわけることです。フランチャイズ加盟であれば、その辺のやり方も指導してもらえるでしょう。他者の目があるというのも気が引き締まります。そのようにしておけば、仕事がなあなあにはならないと思います。